伊豆の陶芸体験
■進化した日本の焼き物・伊豆の陶芸

ほけきょ庵の陶芸体験作品の焼き上がり、伊豆白浜の砂をまぶした土で作る伊豆白浜焼きは、日本六古窯 ~備前(岡山県)、丹波(兵庫県)、信楽(滋賀県)、常滑(愛知県)、瀬戸(愛知県)、越前(福井県)などに代表される「焼き締めの灰被り」の焼き上がりです。自然な風合いを大切にした日本独自独特の焼物として数百年に及ぶ歴史を誇り、渋みを漂わせ飽きの来ない焼き上がりにきっと満足いただけると思います。
これら「焼き締めの灰被り」の魅力の一つに窯変があります。窯変とは土と火の起こす偶然性にとんだ神秘的な化学変化。計算外の思いもよらない要因が結果として一つの芸術を産み出すことを言います。
偶然性をも許容するその工芸精神は、伊賀焼き、備前焼、信楽焼きなどを産み出し、自然の山河を思わせる作風で世界中で評価、賞賛されています。
独自技術の粋■オリジナルの土と釉薬と焼成方法が産み出すプレミアムな陶芸作品

通常こうした窯変は「穴窯」「登り窯」などの薪焼成の窯で可能となるのですが薪で焚くこれらの窯には大きな弱点があります。まず、薪の窯は膨大な量の薪が必要となり燃焼効率も悪く、煙を多く排出するため環境に与える影響も大きく、修繕費も含め費用が莫大なものとなります。したがって体験料金も高く設定せねばならなくなります。
そして、致命的な事に、窯に詰め込んだ2~4割は焼成不十分、もしくは倒れたり潰れたりと、とにかく窯が不安定でコントロールすることが大変なのです。陶芸体験した作品が手元に届かない。これではいけません。
窯変■「胡麻」「緋色」「桟切」「ビードロ」「焦げ」

しかし、どうにかこの日本の生んだ素晴らしい焼き物を皆様にも「気軽」に「体験」してほしい。この思いを胸に長年研究した結果、「電気、灯油、ガス」窯で「窯変」を再現するに到りました。
現代窯の安定性の中に古代の窯の不安定性を再現する事により、「安定して不安定な焼き物を焼き上げる」事を可能としたのです。こうして、「胡麻」「緋色」「桟切」「ビードロ」「焦げ」これら5つの窯変からなる焼き物を産み出す下地が整います。
この結果を踏まえ、さらなる独自性を打ち出すために、ただの「伝統の模写」ではない
新しい「焼き締めの灰被り」の様式を打ち出そうと試みます。
・胡麻

伝統的な焼き締めの器などは、伝統的な日本の食卓ではとても良く映え
料亭や懐石などでは今でも主役を務めます。
その一方、現代の西洋的文化を取り入れた日本の食卓に、
これら「焼き締めの灰被り」で主役が務まるかと考えてみると。
いささかの疑問が立ちはだかります。
日本を代表する信楽や備前や伊賀焼き。
素晴らしいのだけど、現代の普通の家庭の食卓には「重厚」過ぎるのではないか?
もう少し軽くて明るい感じの焼き物があれば・・・。
これは私自身が陶芸に触れ感じたことでした。
・ビードロ

そして、従来の伝統的な「焼き締め」を打ち破り
ライトでポップな焼き上がりを目指すべく、数百回の焼成実験を繰り返して
その思いを現実のものとしたのです。
そして「伊豆半島」と言う地域性を含めた焼き物を創出する為の工夫を重ねます。天城の山々、伊豆高原の大室山、温泉、モチーフは無限にあります。そうした伊豆の代表的な景色の一つ、伊豆の白浜の砂をまぜ、エメラルドグリーンの海と白い砂浜を模した「伊豆白浜焼き」が産まれました。
・緋色と粒肌

混ぜるといってもそう単純じゃありません。単に混ぜただけだと鉄分が反応しゴマをまぶしたようなキタナイ焼き物になってしまうのです。余分な成分を除去し最適な比率で混ぜ、最適な焼成状態を突き止める必要があるのです。
・焦げと桟切

陶芸体験後、約2ヶ月~3ヶ月を経て皆様のお手元に手元に届く体験作品には、
こうしたドラマがいっぱいいっぱい詰まってます。
思いもかけない素晴らしい焼き上がりの作品がお手元に届きましたら
どうぞ可愛がってあげて下さい。
・陶芸体験の皆さんの作品

※ビードロ 燃料の灰がかぶりブルー、若しくはグリーンのガラス状にたれ滴ること。
※胡麻 燃料の灰が窯の中を飛び回って器面に降り、溶けて衣装となったものです。
※緋色 土や燃料に含まれる鉄分が炎と反応し、まるで炎を描いたかのようなオレンジ色が生じる
※焦げ 燃料が燃えてできた燠の中に埋もれて、まるで焦げたような景色をいいます。
※桟切 窯の脇ややきもの同士が接するところが不活性状態となり、還元焼成と酸化焼成とのせめぎ合い状況が生まれて変色します。
文章※ほけきょ庵マスター 武山よしてつ


